SPI試験に立ちはだかる”鬼”「推論」
- SPI試験において定量的にどのくらい大事なのか?
- なぜ推論は難しいのか?
- 対策方法は何なのか?
徹底的に解説します。
SPI突破の最大の”鍵”=推論
- 対策が難しい
- しかも、頻出
- 時間がかかる
- 高校までの数学の知識と関係がない
転職や昇進試験、公務員試験でSPIを受ける社会人にとって、この推論に対してどのような対策をすればいいのでしょうか?
そもそも、推論とはどのようなSPIにおいてどのような意味を持っているのでしょうか?
推論はSPIの問題数の中でおおよそ25%近くを占めます。
SPIのペーパーテストは30問なので7問以上が出題される計算になります。
つまり推論が全くできないと23問の中で、合格点(ボーダー)を超えなければなりません。
そして、ボーダーは企業や自治体によって差はありますが、一般的には6.5割は必要となります。
つまり23問の中で、15問正解しないといけません。
逆に言えば、8問しか間違えることができません。
このように推論が全くできないと、合格確率が格段に下がってしまいます。
SPIにおける推論のコツとは?
「推論」と一口に言っても、数種類の問題があります。
その種類に応じた解き方を知る必要があります。
この問題の種類を分ける際の「切り口」が非常に重要です。
巷で販売されている多くの参考書での推論問題の「切り口」は
- 順位
- 平均
- 比率
- 位置関係
といった分け方になってしまっています。
実を言うと、この分け方で、推論を勉強しても上達しません。
今回は、推論をどのような切り口で分けるべきか?
それらの問題に対応した「考え方」と「実際の解き方」をご紹介します。
①答えが”一意”に決まる問題 タイプ
A、B、C、D、Eの5人がレースを行った。同着はなく、次のア~エのことがわかっているとき、1位からの順位を左から順に表したものはA~Hのどれか。
ア EはDより遅くゴールしたが、最下位ではない
イ BはAとCの間にいた。
ウ Aは3位である
エ Cは1位ではない
A. DBAEC
B. CBAED
C. DBACE
D. DEABC
E. DBEAC
F. DBECA
G. CDBEA
H. ア、イ、ウだけではわからない
答えが”一意”に決まるとはどういうことでしょうか?
一言で言うと、「もうこれしかない!」っていう答えが一つに絞られるということです。
上記の問題もそうです。「もうこれしかない!」っていう答えを導くのに十分な条件が与えられています。ポイントは、この類の問題は難易度が易しいです。よって、問題をスキップせずにしましょう。解き方としては、指標線(=線を書いてそれぞれを埋め込む)で当てはめていけば解けます。
【解説】
ウ 「Aは3位である」ということなので、Aは3位で他の選手が3位とならないことを示すために、×を付けます。
エ 「Cは1位ではない」とイ「BはAとCの間にいた」という発言からBが4位でCが最下位と分かります
ア 「EはDより遅くゴールしたが、最下位ではない」とあるので、Eは1位×で5位×となります。
よって答えは、Dの「DEABC」です。
②答えが複数可能性考えられる問題 タイプ
鈴木さん、田中さん、佐藤さん、金子さん、小林さん、高橋さんの6人が水泳大会に出場し、小林さんが優勝した。以下のア~ウのことが分かっているとき、確実にいえるのはどれか。ただし、同着はなかったものとする。
ア 鈴木さんは佐藤さんより早く、両者の間に1人ゴールした
イ 田中さんより先に小林さんが、後に佐藤さんがゴールした
ウ 高橋さんは小林さんの次にゴールした
1. 鈴木さんは田中さんより早かった
2. 田中さんは4位だった
3. 佐藤さんは6位だった
4. 佐藤さんは吉田さんより後にゴールした
5. 小林さん、高橋さん以外の順位は分からない
6. 金子さんは6位ではない
先ほどと同じ順位の問題ですが、全く考え方が異なります
どの点が異なるのか?
・答えを導くのに十分な条件が与えられていません。
よって、
「小>高>田>鈴>吉>佐」も考えられますし、
「小>高>鈴>田>佐>吉」も考えられます。
このように、複数の可能性が検討できます。
複数の可能性があるという前提で、その可能性全てにおいて共通する事象(=確実に言えるもの)を選択する必要があります。
この問題は、最初の問題のように当てはめていくというよりは、条件を加味してたくさん可能性を出すことが先決です。
③最も少ない情報で・・・タイプ
P、Q、R、Sの4人が仕事をしていた。4人が仕事を終えた順番について、次のことがわかっている。
1. 同時に終わった人はいない
2. RはQの前に仕事を終えた
3. 最後に終わったのはPではない
最も少ない情報で4人の仕事を終えた順番がすべてわかるために、上記の①~③に加えて必要な情報は、ア、イ、ウのうちどれか。A-Gの中から1つ選べ。
ア:Pの次にRが仕事を終えた
イ:Sの次にQが仕事を終えた
ウ:Qの次にPが仕事を終えた
A アだけ B イだけ C ウだけ D アとイ
E アとウ F イとウ G アとイとウ
最も少ない情報で順位を定めるためには、ポイントが二つあります。
1.「なるべく一つで決めようとする」こと。
2.「選択肢起点で考えていく」こと。
実はこの問題は、上記で紹介した①の「一意問題」と②の「可能性複数問題」の複合問題です。
①の問題のように指標線を書きつつ、当てはめていきます。
しかし、一つで決まらないような問題もあるため、わからない場合は複数の選択肢を当てはめて解いていきます。
今回の問題でわかっていることは以下の情報
・同じ順位はいない
・R<Q
・P≠4位
考え方は選択肢起点で考えていきます。
ア:Pの次にRが仕事を終えた
⇒アの選択肢のみだと、「PRQS」や「PRSQ」などの複数の選択肢が考えられるのでアだけでは不十分です。
イ:Sの次にQが仕事を終えた
⇒イの選択肢のみだと、「RPSQ」や「PRSQ」などの複数の選択肢が考えられるのでアだけでは不十分です。
ウ:Qの次にPが仕事を終えた
⇒ウの選択肢のみで、RQPSと特定できるので正解です。
SPI推論を超わかりやすく解説
それでは下記の問題を上記の「コツ」を踏まえつつ解いてみましょう。
【解答・解説】ボタンを押すと、答えと解説を見ることができます。
一つの問題に対して制限時間は2分です。
推論1
・ Pは端にならない
・ TはQより左
・ SはRより左
・ SとTは隣り合わない
QとRが隣り合うとき、Pの場所としてなりうるのをすべて選べ。
推論2
・ Pは端にならない
・ TはQより左
・ SはRより左
・ SとTは隣り合わない
Tが一番左の時、Qの場所をすべて選べ。
推論3
・ A と D の差は5 cm
・ AB の平均は 168cm
・ CD の平均は 170cm
C が 175cm のとき、 B としてありえる身長全てあげよ。
推論4
ア:Pは2年生である
イ:QはRより3学年上、SはTより4学年上
このとき、Uは何年生か?
推論5
ア: 1日目と2日目のスタンプの数の差は二個だった。
イ: 2日目と3日目のスタンプの数の差は二個だった。
この時最も多く集めた日のスタンプの数は何個か?
推論6
ア:Xのカードの数字の和は13である
イ:Yのカードの数字の和は15である
この時、Zのカードの数字は5と9と、何か?
推論7
ある計画について、P,R,Q,Sの4人で話し合い、三人以上が賛成なら実行することにした。
【問い】その結果、実行することになった時、Pは賛成したか?
ア:Qは賛成した
イ:Rは賛成した
A:アだけでわかるが、イだけではわからない
B:イだけでわかるが、アだけではわからない
C:アとイの両方でわかるが、片方だけではわからない
D:アだけでも、イだけでもわかる
E:アとイ両方があってもわからない
推論8
P,Q,Rの三人はX高校かY高校の生徒であり、少なくとも1人はX高校の生徒である。また、X高校には制服がない。
【問い】RはX,Yどちらの高校の生徒か?
ア:Pの高校には制服がある
イ:PとQは同じ高校の生徒である
A:アだけでわかるが、イだけではわからない
B:イだけでわかるが、アだけではわからない
C:アとイの両方でわかるが、片方だけではわからない
D:アだけでも、イだけでもわかる
E:アとイ両方があってもわからない
推論9
ある人が英語と数学と国語のテストを受け、3科目の平均点が70点だった。
【問い】英語の得点は何点か?
ア:英語の得点は数学の得点より40点高かった
イ:国語の得点は数学の得点より20点高かった
A:アだけでわかるが、イだけではわからない
B:イだけでわかるが、アだけではわからない
C:アとイの両方でわかるが、片方だけではわからない
D:アだけでも、イだけでもわかる
E:アとイ両方があってもわからない
推論10
・ P が一番多い
・ Q は R より 2 匹多い
・ 同じ数の カブトムシが入っている虫かごはない
・ どの虫かごも3 匹以上いる
Pが10 匹ならSは何匹入っているか?可能性があるものをすべて挙げよ
推論11
・ 山田さん はパーを出していない
・ 山田さん の一回目はチョキ
・ 田中さん の二回目はグー、三回目はパー
次の内、どれが分かると P と Q の出した手が特定できるか?
(ア) 山田さん は二回勝ち
(イ) 山田さん は一回勝ち
(ウ) 引き分け 2 回
推論12
・ P と Q の合計 4 個
・ Q と R の合計 3 個
1個だけ買った人がいるとしたら、あり得るのは誰か?
推論13
・ R が最高点
・ R と Q は 1 5 点差
・ P と Q は 1 0 点差
このときQの順位として考えられるものをすべて挙げよ